うつぼ公園の一角に、梶井基次郎の『檸檬』の一節が記された文学碑があります。
昨年まで、その文学碑の上にいつも座っている猫達がいました。
その中でも、ひときわ人間のことが大好きだった黒猫のお話をしたいと思います。
その黒猫はサポーターから「バクちゃん」と呼ばれていました。
ごはんをバクバクたくさん食べる食いしん坊ぶりから、そんな風に呼ばれるようになりました。
とにかく人間が大好きで、お昼休憩には公園を訪れたOLさんやおじさん達の話相手になり、
夕方には仕事帰りの人達についていき、夜には猫好きな優しい女性の膝に座っている姿をよく見かけました。
そんな性格なので、バクちゃんのことを気にかけてくれる人もたくさんいました。
食いしん坊のバクちゃんですが、昨年の秋には少しよくなった口内炎の症状が再発し、食欲のない日が続きました。
このままでは、この寒空の下で確実に衰弱してしまいます。
病院に連れていこう、となった時、いつもバクちゃんのことを見守ってくれていた方が、「里親になります」と名乗り出て下さいました。
こうして、バクちゃんが公園を卒業する日が決定したのです。
バクちゃんのお見送りの日、10名を超えるたくさんの人達がバクちゃんに会いに来てくれました。
誰にでも平等に愛情を注いでくれたバクちゃん。
私たちサポーターも、バクちゃんからたくさんの愛情をもらった気がします。
一番バクちゃんのことを想って見守ってくれていた方と、一緒に暮らせるようになってよかったね。
いっぱい愛情をもらって、幸せになってくださいね。
ばくちゃん、いろんな方々の癒しになってくれてありがとう。
人間によって遺棄されたのに、あなたは、人間を信じてくれました。
ばくばくたべたのは、遺棄され、食べるすべをしらなかったから、本当にお腹がすいてしまったんですよね。 だから、嬉しくていっぱい食べたら、バクって名前にされちゃいましたね(笑 今は、ネロ君に昇格したとか。。よかったね。いっぱい甘えて幸せになってね。 うつぼ公園のバク君・・忘れないよ。